独立性

独立性は、国境なきグローバルな通信社としてのロイターの評価を支える基本であり、対立や紛争をあらゆる角度から公平に報道するための基盤となる。企業や機関投資家、または個人について報道する際、彼らが我々の顧客であったとしても、正確さ、バランス、真実以外のものにとらわれることなく記事を書くことが極めて重要である。

独立性は、単にロイターの組織によって担保されるものではなく、利害の対立や、それを引き起こしそうな状況を避けるという記者としての義務により確保されている。もしも取材活動によって利害の対立が起きる可能性があれば、記者はそれを上司に報告しなければならない。


Contents

個人的投資(Personal investments)

ロイターの社員や、その家族の投資が、ロイターでの仕事上の判断に影響を及ぼしてはならない。また、特別に取り決めを結んだ場合を除いて、社員はロイターの取引・コミュニケーション設備・機器を、本人や他の人の個人的投資目的に使用してはならない。「個人的な投資(Personal investments by Reuters journalists)」を参照。Reuters.comのツールなど一般向けに公開されたものは使用してもかまわない。


金融資産の報告義務(Declaring financial interests)

記者は、ニュースや金融情報、その他の話題を報道する際に、ロイターの報道姿勢が偏っていると疑われるような状況を決して招いてはならない。業務規範(Code of Conduct)の私的投資に関する部分は、それが書かれた時点での基準を表している。だが、業界や規制環境が変化するなかで、正確かつ偏りが無いジャーナリズムとしての評判を守り、今後も高めるために、私たちはより厳しい基準を持つ必要がある。その基準は、全ての記者を対象とし、業務規範を補完するものである。内容はこのハンドブックの「個人的な投資(Personal investments by Reuters journalists)」に記されている。これを遵守しなかった場合は、当該地域において懲罰措置がとられる。


社外での仕事(Work outside Reuters)

社員は、事前に上司から許可を得た場合を除いて、社外で報酬を伴う仕事に従事してはならない。報酬を伴う仕事とは、例えば、本の出版、記事の投稿、会議での演説、商業目的及びニュース目的での写真撮影などが含まれる。また許可された本の出版などについては、利益相反を避けるため、自分の担当に関する記述をしてはならない(例:株の記者が株式関連の本を出版)。社外活動については、ロイターに影響が及ばない限り、原則として許可される。


取材先との内容確認(Checking back with sources)

ニュースを配信する前に、記事、草稿、写真イメージを取材先に送ったり、見せたりしてはならない。このような行為はロイターの独立性を揺るがす。引用文の正確性を期すためや、事実確認のために、取材先に記事内容を確認することは許される場合がある。しかし、その際には、自分にとって都合の悪い箇所を削除したり、引用文を都合の良いように手直ししたりする機会を取材先に与えないよう配慮する必要がある。

インタビューにおいては、記事を配信したり、取材内容を放映したりする前に、引用部分を見せるようにと取材先から依頼を受けることがある。だが、私たちは状況が許す限り、その種の依頼を受け入れるべきではない。もしも、取材先の承諾を得るために、引用部分を配信前に見せなければならないとしても、相手の発言を引用した部分の変更に同意してはならない。配信前のチェックを望む取材先については、きびしい時間制限を設けることが効果的だ。


贈答品およびエンタテーンメント(Gifts and entertainment)

ロイター記者は取材先から、あらゆる支払い、贈答品、サービスや利益供与(現金に限らない)を受けてはならないというのが原則である。ただ一部の社会では、宗教上または非宗教上の祭日のような特別の機会に、贈答品を授受することが慣習となっている。それらの贈答品を拒否することは、相手に無作法と取られかねないので、記者は特定の社会の慣習やならわしについては、配慮すべきである。

贈答品を受けるか、それとも丁重に辞退するかの判断基準として、その品の価格は重要な要素となる。慣例的な贈り物で、低価格な物の場合は、受け取ってもいいかもしれない。高額品は、我々のポリシーを説明し、受け取りを辞退する。

一定の価値があるもので、辞退が困難な場合は、マネージャーにいったんそれを託し、適当な慈善事業に寄付する。

もしも、贈答品の価値の判断が難しい場合は、価値がある品として対処する。贈答品の授受について疑問がある場合は、適切な対処法について、上司に相談しなくてはならない。

記事の情報を収集する過程において、記者は食事会などに招待されることがしばしばある。それらの集まりがニュースに値する場合に限り、そのようなイベントに参加するべきだ。

私たちは、ニュースの収集に関係の無いイベント、たとえば費用がかからない休日イベント、取材先が費用を持つエンタテーンメント、スポーツ観戦等への誘いは辞退すべきだ。

ニュース価値の無いイベントに出席することは、取材先に「借り」を作ることになる。 ロイターは、贈収賄、贈答品、エンタテーンメントについて、全社的なポリシーがあり、記者にも適用される。


交通費、宿泊費(Travel and accommodation)

企業などが取材先である場合、地方取材などで記者の交通費や宿泊費を負担しようとすることがある。しかし、ロイターとしては、自前で交通費と宿泊費を支払うというのが基本ポリシーである。もし、これによって取材先とのコンタクトが困難になる場合は、上司に相談する。

記事を書く際に、取材先との直接的なコンタクトが不可欠であり、そのためには先方から交通費の提供を受けた方がいいとなれば、通常上司の承認は下りる。この場合は、ロイターがその取材のために支払っていたはずの交通費、宿泊費などの経費と同額が、適切な慈善事業に寄付される。

ごくまれなケースだが、交通費や宿泊費を取材先持ちにしない限り、ニュースが取れない場合がある。飢餓についての記事を書くために援助機関と共に人里はなれた地域に飛行する場合や、軍用機で戦闘地域へ行ったり、企業のCEOにインタビューするために、私用ジェット機に乗らなければならない場合などだ。これらを実施する前に、記者は上司に相談しなければならない。相談を受けた上司は、ニュースの重要性と、ニュースが出ない可能性を考慮したうえで、必要であれば、さらに上位の判断を仰ぐ。


賄賂、その他(Bribes and other inducements)

どのような状況であれ、ニュースを報道するために、金銭その他の支払いを受けたり、支払を行ったりしてはならない。それらの行為は、深刻な企業倫理違反であり、独立性の基礎を揺るがすもので、解雇・免職を含む懲戒処分の対象になりうる。

記者は、取材先との社交にも配慮しなければならない。ニュースを追う為には、取材先との飲食は必要であり、会社としても、記者がそうすることを奨励している。ただし、それらのエンタテーンメントは常識の範囲内で行われるべきであり、贈収賄、腐敗、贈答品、エンタテーンメントについて規定したロイターのポリシーに従わなければならない。 

ロイターは取材先に影響を与える目的で、金品の授受を行わない。ほとんどの国では、政府の役人(政府系機関の就労者を含む)は、職務の遂行において、利益(金銭以外の利益を含む)を受け取ることを制限されている。不適切な利益供与を行えば、ロイターとロイターの従業員は罰金刑や懲役刑を受ける可能性がある。

記者は、贈答品を送る前に、贈答品の授受について、その国でどのような慣例や、規制、制約があるかについての情報を入手すべきであり、上司からの承諾を得なくてはならない。

支払いや金品の授受を禁ずるルールには例外もある。これらの例外は、生命や身体が危険にさらされる場合や、法律及び行政上の手続きを迅速化するためなど、極めて限られた場合のみ適用される。

それらのケースで支払われる金額は、一般的に小額であるが、エクスペンス・レポートなどの記録で、直ちに報告しなければならない。これにはマネージャーの承認が必要であり、マネージャーは必要であればさらに上位の判断を仰ぎ、承認を受けた支払いについて、地域の法務部門担当者に報告する等の措置を講じなければならない。ただちに判断が必要になる状況下では、記者はこれらのガイドラインに沿う形で行動しなければならない。

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